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葵凛子。その名前といつも青い顔をしている事から“青りんご”と呼ばれている。ただし俺と俺の友達の間でだけな。
特徴は青いだけじゃなく、顔も体もガリガリにやつれていて、背も低ければ声も小さい。学校も休みがちで顔を出しても大半は保健室で過ごしている。
通学は必ず親の車。遅刻早退は当たり前。体育は見学が通常運転。給食も食うのが遅く残しがち。校外学習で展望台のあるちょっとした山を登った時も養護教諭がつきっきりで、帰りは男の教師におんぶされて下山していた。そんな病弱で貧弱で軟弱で虚弱な女子だ。
そいつとは対照的に俺は四千グラムオーバーで産まれた健康優良児。背もクラスで一番高く、スポーツも万能で運動会じゃいつもゴールテープを切っていた。
「浦成飄太。今回のテストもお前がドベだ」
「へーい」
ま、オツムの方は身体の成長に追いついてなかったけどな。
だからだろうな。人の気持ちも考えずに、つい軽率な発言をしちまうのは。
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