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「ネットでだけど卒業公演観た。まずはお疲れさん」
『うん。ありがとう』
「これからどうすんだ? 芸能活動は続けるんだろ?」
『ううん』
明るい声を保ったまま、青りんごは電話越しに言った。
『夢は叶ったし、やりたい事は充分やれたし、もう、いいかな』
「俺の事は気にするな。ライターとして何とかやってるからよ。お前もここで終わるのは勿体ないぜ」
暫し間を置き、通話口から声が届いた。
『……ダメだよ。これ以上、飄太君に迷惑かけられない』
今度は消え去りそうなほど小さな声だった。
「は? 何言ってんだ。俺はもうこの生活に慣れっこだっ」
『今までありがとう。ごめんなさい。私、星になるね』
耳を疑った。
「おい。おいって。青りんご!」
応答が無くなり画面を見ると通話は切れていた。
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