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「……本当なら12で死んじゃう私が、ここまで生きられてしかも夢も叶った。私はもう、満足だよ」
「……ぁ?」
「飄太君。今まで私を生かしてくれてありがとう。だけどこれ以上、飄太君を苦しめてまで生きたくない。私の事はもういいから、飄太君は飄太君だけの人生を生きて……」
「ッざけんなッ!」
俺はべっこり凹んだ腹の底から声を張り上げた。
「お前は鳥でも獣でもねえ! 人間だ! 元から一人で生きていけるわけないんだよ! 辛い時は誰かを頼れ! 夢が叶ったらまた新しい夢を見つけろ! 絶望したら昔の自分を思い出せ! あの時のお前は希望が無くても懸命に生きてたぞ!」
あぁ……また感情的になっちまった。大声出すだけでも相当エネルギー使うってのに。
「なぁ……俺たちまだまだ青いんだ。腐るには早いだろ。これからも一緒に、成長して、こ……ぜ……」
叫び過ぎた俺はついに力尽き、大の字に倒れたままうっすらと空に現れていた一番星を見上げた。
「飄太くん!? しっかりして!」
久々に体に鞭打ったから、全身が悲鳴あげてら。いや、断末魔か。ヤベ、意識が朦朧としてきた。自殺を止めに来て自分が過労死するとか、しゃれならんぞ。
って待て。俺が死ねば結局青りんごも死んじまうだろうが。ふざけんな。そんな結末、あってたまるかよ……。
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