青林檎

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 次の日から、青りんごは学校に来なくなった。  今までも二日三日続けて休んだ時はあった。だからどうせまた、忘れた頃にひょっこり顔を出すと思っていた。 「皆に悲しい知らせがある」  休みが二週間に差し掛かろうとした時。担任は朝の会で言った。 「葵凛子さんが、昨日の夜、天国に旅立った」  胸の辺りがぞわりとした。 「葵は重い病気で本当は余命幾何もなかった。それでも学校に行きたいと無理をして通っていたんだ」  やがて女子のすすり泣く声があちこちから聞こえてくる。俺はまだ、国語の教科書に載っている物語を聞いてるような錯覚に陥っていた。  帰宅し自室の机に向かう頃には、青りんごの死が現実だと理解した。  俺、アイツに酷い事言っちまった。  謝りたくても青りんごはもういない。既に過去の人。思い出の中の人になっちまった。  そう思ったら、ようやく涙が出てきた。泣けば少しは心が軽くなると期待した。でも、後悔はいつまでも消えなかった。
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