第二節:リハビリ

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第二節:リハビリ

『ハァハァ、もう疲れたぁ!』 1ヶ月も寝たきりになっていた柚里香の身体は筋力が衰え歩く事さえも儘ならない状態になっていた。 そのため病院内のリハビリセンターにて看護師の三井さん(女性)とマンツーマンで歩行訓練の真っ最中である。 「凄いじゃん!柚里香さん。もうそんなに歩けるようになって」 『ハァハァ、三井さんのお陰ですよぉ。けどもうダメ!』 三井さんは私の身体を気遣い30分の休憩を取ってくれた。 (リハビリを初めてから1週間経ったけどこんなに大変なの?こんなんで本当にまともに歩けるようになるんだろうか?) 「ハイ!柚里香さん!30分経ったから練習開始ね」 『ハァ~イ・・・』 朝6時に起床し7時から朝食。午前中は検査づくしで気持ち悪くなりそのまま昼食。午後からはリハビリでその後夕食。まともに歩けないので体は濡れタオルで拭くだけでお風呂にも入れない始末である。 けど、不思議なことに体がとても軽く感じる。以前の自分と今の自分の体が違うからなのかは定かではない・・・。それに元々のベースが柚里香なのかこのモデルばりの顔と体つきにも関わらずまったく疚しい気持ちにもならない。 ちなみに身長169.0㎝、体重51.9㎏、スリーサイズはご想像におまかせするとしてこんな体型本当に存在するんだと感心してしまう。 ここでの生活も2ヶ月が経とうとしている中、私はふと想う時がある。向こうの事を。妻、子供たち、そして同僚たちは一体どうしているのだろうと。まるで何事も無かったかのように普段通りの生活をしているのではないかと嫌な事ばかりが頭の中を駆け巡っていく。 それから4日後、ようやく退院の日が告げられた。 『これでやっと・・・』 これからが大変だという事にまだ知らない自分がそこにはいた・・・。
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