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「詳しく聞いてもいいかしら?」
「人間観察に興味を持ったのが魔法学校へ入ってから」
休憩時間になると、他の人は一斉に教室を出る。その時の他人の動き方や考え方、立ち回り方を見るのが楽しい、とのことだった。
マリーはミアは他の人とは感覚が少しズレていると思った。マリーは心が躍り、期待するようになった。
禁忌とされる召還術を行うには普通とは違う感覚が必要なのだ。今のところ、ミアにはその素質があると思った。
「それじゃあ根本的な事を聞くけど、どうしてアタシのところへ来たのかしら?」
「貴女が第99期のアントリム魔法学校主席と聞いたから」
「それ知ってるという事は結構、調べたみたいね」
その年はマリーが親友と一緒に召喚術を行っている。その事を知っている人は今は誰もいない。
「それじゃあ弟子にするかはともかく、二つ聞きたい事があるわ」
「何?」
「一つ目はアンタの目的」
定めるような目線でマリーは問いかける。
ミアがここまで来た理由で答えは出ているが、それをミア自身の口から聞きたかった。
マリーが主席で学校を卒業した事、アメトフォスの奥地に住んでいる事、過去にあった事、どこにも勤めず何かをしている、それらを承知の上で来るのは一つしかない。
「召還術を私に教えて欲しい」
やっぱり、とマリーは思った。それと同時に過去、同じ理由で来た奴は何人いただろうか、とも思った。
一人目は対魔法術を施した扉を開けれず、外で罵詈雑言を叫び帰った。
二人目は扉を開けれる程度の魔力を持っていたが、目的が単純な金儲けだけだったので、丁重に帰ってもらった。
三人目は魔力も知識もある程度持った魔法使いだったが、目的は死んだ恋人を召喚したいという支離滅裂な理由だった。
死者を召喚することはできない。
そんな召喚術の基本的な事すら知らない魔法使いは、他がどんなに優秀だったとしても帰ってもらう。
四人目か五人目辺りでは、強制的に退去してもらった事もあった。
「分かったわ。じゃあ、簡単な試験を受けてもらいましょうか」
七人目辺りから、数えるのも面倒になったマリーは召喚術用の試験を用意した。
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