やだな

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やだな

やだな やだな まっくらな夜、やだな。一人きりのへや、やだな。 だれかがどこからか、のぞいているかもしれない。何かがどこかでわらっているかもしれない。そんなこわいの、やだな。 夜はしずかでいたいのに。しずかだから、こわいのに。 やだな、やだな。まっくらな夜、やだな。 目をあけるとそこに白い顔。にったりえがおの口はさけ、べったり赤くぬられてる。 やだな、やだな。一人きりのへや、やだな。 かってになぜる冷たい手。ほっそりゆびがからみつき、わたしのうでをはなさない。 かがみにはかげがうつる。まどには目がらんらんと。 どうしてこんなにこわいんだろう。どうしてこんなにくるしいんだろう。 やだな やだな まっくらな夜、やだな。一人きりのへや、やだな。 ぜんぶほんとなんて、やだな。
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