第1章 私達がスターダストです!

1/5
前へ
/7ページ
次へ

第1章 私達がスターダストです!

仕事は完璧以上。最強最高の盛り上がりと感動、そして夢を届ける5人組グループ。 それが私の所属する世界一最高なグループだ。まだ世界進出はできていないけれど、いつか必ず本当の世界一になってみせる! 私たちは皆んなに夢を届け、そして自分たちも夢を見る存在なのだから。 だけど今はただの女子高生。 よく言って協調性があり、悪く言うと地味な制服を着て同じ服を着た人たちと教室という籠の中に入れられて教養を身につけさせられるのだ。だけどこんな普通なことが私にとっては特別なことだったりもする。 いつもはスタイリストに綺麗にしてもらっている髪も今日は下でツインテール。 友達はいない。でも話しかけられることは多い。ファンの子だったり、芸能人と知り合いになりたい下心のある人だったり、声をかけてくる理由は様々だ。 そんな人たちの相手が面倒くさくて、いつものように教室から逃げた。私のお気に入りの場所、それは中庭。 静かで基本的に人は少ない。 花が好きな理科の先生がこっそり育てている植物を見たり、それに集まる蝶や鳥を見ることが好き。春になればきっと色鮮やかな庭園となることだろう。 グーっと空に向かって伸びをした。昼休みが終わるまでにはまだ時間がある。放課後も仕事があるし、少し眠ろうかな。 ちょうどベンチは木陰になっているので熱い季節でも涼しくて、サワサワと風が駆ける音を聞きながら目を閉じて。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加