1章 14歳のゲームデザイナーたち

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1章 14歳のゲームデザイナーたち

数日後にコンピューター室に入ると、結奈は相変わらずゴーグルをはめていた。 デスクを見てみると、結奈のような魔導士がオークと戦っている。飽きもせずによくやるな。そう思いながら指定席に腰を下ろした。 デスク型パソコンは『起動』と言うだけで、机が勝手に傾斜をつけ、ディスプレイとしての機能を果たしてくれる。 画面の中には執事姿のマスコットが姿を見せ、僕に話しかけて来た。 【こんにちは優斗部長】 『やあ、何か変わったことはあったかい?』 デスクが読み込みをかけると、執事姿のマスコットが返答した。 【ジータさんが、新しい曲を作ったそうです】 ああ、ジータというのは僕の親友の田中弦太朗のことだ。 身体が大きいからジャイアントのG、それに田中のたをくっつけてジータだ。 執事姿のマスコットは言った。 【最近、こういう古風な名前の方が多いですよね】 『そうだね。確か…今年の男の子の名前…佐平次が1位だもんね』 【佐平次は2番目です部長】 『あれ、そうだっけ…?』 【因みに今年の1位は、竹千代だそうです】 『た…竹千代…』 思わず想像してしまった。 和服に身を包んだ美青年が、和紙で出来た傘をさして竹林の中に立ち、振り返って歯を光らせている。 名前だけでなく、昔の人のようなパワーも受け継いでくれるといいな。
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