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早速、図書室に向かってみると、世界史関連の棚を見てみた。
今回欲しいのは写真やイラストのついた資料だ。
神殿やギリシャの神々の姿といった、ギリシャを代表する資料はすぐに見つかったが、一般庶民の生活となると意外と見つからない。
ふと資料を眺めていると、古代ローマの資料もあった。
『時代が少し進んでいるけど…参考にはなるかな?』
資料を少し読み込んでみると、どうやら古代ローマ時代の服装は、ギリシャ時代と似ているらしい。
思った資料が見つからない可能性もあるので、一緒に借りておくのもいいかもしれない。
5冊の本を手に取った時、図書室のドアが開いた。
入って来たのは結奈と見覚えのある女子生徒だ。彼女は確か森 恵美子。漫画研究部の部員だったな。
「長谷川君、結奈から話を聞きました」
恵美子は眼鏡を光らせながら言った。
彼女は背が低いせいで小学生にすら見えるが、振る舞いや話し方が妙に大人びている。
もう少し背が高ければ、学校の先生にすら見えるかもしれない。
『うん、これを借りたらソフトの説明をするよ』
「少し見せてもらってもよろしいでしょうか?」
本を差し出すと、恵美子は1冊ずつ手に取って最初の何ページかを開いた。
5冊全部をざっと見ると、彼女は表情を和らげて頷いた。
「この本、できれば…私が借りたいのですが…」
『構わないよ。というより…絵のために集めるつもりだったから』
そう答えると、恵美子は満足そうに笑った。よくできましたという感じだろうか。
「エミちゃん、さっそく借りてこよう!」
「そうですね」
2人は仲良く並ぶと、図書室の貸し出しコーナーに向けて歩き出した。
それにしても、本当に対照的な2人だ。
結奈の身長は165センチメートルくらい。ショートヘアーで体格もいいが、振る舞いがどこか子供じみていて、先ほどの通り変な妄想癖がある。黙っていれば美人。
恵美子の身長は150センチメートルあるかどうか。ロングヘアーで眼鏡が似合う。知的な雰囲気を漂わせていて、たまに笑うと可愛い。チビは禁句だったな。
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