桜吹雪

1/1
前へ
/13ページ
次へ

桜吹雪

 2018年8月    草木も眠る丑三つ時、私の職場は警視庁の6階。特殊捜査3係に所属している。  窓の外には満月が浮かんでいる。  最近は火星が明るく輝いている。   しかし、暑い。もう11時だって言うのに。  特殊捜査3係が扱う事件は企業過失や医療ミスなどだ。凶悪な事件は夜がメインだ。秋葉原の通り魔など白昼堂々起きる事件もあるにはあるのだが。  ドアをノックする音がした。 「はい?」  ロングヘアーのスレンダーな美女が入ってきた。 「うひょー」  野獣のような男たちがジロジロ見つめている。 「本日づけで配属されましたアラタミライです。よろしく」新未来って書くらしい。  未来は深々と頭を下げた。  パソコンで報告書を作っていたシャギーカットの女性が立ち上がる。ボーイッシュで、紫色のYシャツにブルージーンズ。 「係長の狭山敦子です。よろしく」  2018年4月  僕は幼い頃、おばあちゃんからワロドンの伝説を聞いた。河童の1種で、体をバラバラに切り刻まれても生き返ってしまうんだ。    銃声が聞こえた。坂道を上って秋葉神社にやってくると尾のない狼が倒れていた。可愛そうに、看病してやりたいな?  僕は獣医を目指している。  せせらぎ学園での賄賂問題は他人事じゃない。  僕はあの学園に通っているのだ。  大人たちの罪のせいで一生懸命やっている僕たちが悲しい思いをする。  地下で悪事が行われているらしいが、僕たちは本気で頑張っているんだ!  マクシミリアンみたくなりたくない。  マクシミリアンはフランス革命の政治家だ。  パ・ド・カレー県ってところに生まれ貧しい生活をしていた。第3身分と呼ばれる。  現代の非正規社員に通じるものがある。  第3身分だが、当時は売官制っていって貴族の身分を金で買っていたのだ。父親は失踪していて母親も病死している僕に境遇は似ている。  ジョルジェってゆー友人がいて、彼は両足麻痺で車椅子生活だ。ジョルジェの支持によってマクシミリアンは出世していく。死刑廃止を唱えていたが最終的にはテロリストに変貌してしまう。   大口城址にやって来た。桜吹雪 に目を奪われた。  小学校の校舎が見える。懐かしいな?僕はアソコに通っていた。  もしかして犯人は僕を殺そうとしていたのかな?  翌日、学校にやって来た。  吉田陽子は今日も見えなかった。  吉田陽子は弓道部の顧問だ  越智殺しのあとから姿が見えない。  
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加