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グレンさんの子供は冬の星の綺麗な日に生まれたらしい。
らしいと言うのは俺がそれを知ったのは生まれてから二週間以上経ってからの事だった為だ。
副長は手伝いに行ったそうだ。
産婆と副長それからグレンさん3人での出産だった。
俺が会いに行きたいと言うのを何故か副長が酷く渋った。
親子どちらかの具合が悪いのかと詰め寄ったがどうやらそういう事では無いらしい。
頼みこんで副長と二人、グレンさんの家に向かった。
ベビーベッドに赤子を寝かしつけているところだった。
「良く寝るいい子だよ。でも、俺に似てくれればよかったんだけどな。」
グレンさんは言った。
寝かされた赤子を見て、何故副長が俺との面会を渋ったのかが分かった。
その子供は黄金の様な金色の髪の毛と瞳をしていた。
将来美人に育つなという事が分かるかわいらしい女の子だった。
この子と同じ色を持つ男を知っていた。
何故、副長がここまで親身になって、あまつさえ出産にまで立ち会っていたのかにようやく合点がいった。
金色を持つ男、騎士団長と副長は幼馴染みだったはずだ。
歴代最年少で騎士団長まで登りつめた団長は貴族出身で確か男爵の位を持つ家系だったはずだ。
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