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蒼い遭遇
……ね…てよ……ぇ…お……っ…
聞き覚えのない声が私を起こそうとしていた。
は…やく……お…て…って…ば..ねぇ!
重い目を開けるとその先には"君"の顔があった。
しばらくしてから「あぁ、夢を見ているのか」と理解した。
幼い頃から"君"は全く変わっていなかった。
そういえば"君"と話したことが無い。
声を掛けていいものかと迷ったが、名前を聞いておくことにした。
「ねぇ、貴方は誰なの。名前はなんていうの。」
しばらくの沈黙の後に答えが返ってきた。
「"君"だよ、少なくともお前はそう呼んでるのだろう。名前なんてあるわけないでしょ、だってお前の妄想の登場人物なんだから」
聞けるうちに聞いておこうと思った。
「ていうか何で夢に出てくるの?」
「あ!そういえば、美味しい紅茶が手に入ったのだよ」
"君"はどこからともなく茶器を出して紅茶を淹れ出した。意味がわからない。
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