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最初の1週間は寝たきりで何も出来ず3日に1回ケイスケがお見舞いに来てたまに親やそのほかの友達が来ると言う何とも退屈な日々を過ごしていた。
それも今日で変わる。
怪我も順調に治っていて松葉杖でなんとか歩ける程度にはなっていた。
久しぶりに外を歩いてみる。
敷地内なら散歩してもいい許可が出た。
「スーーハーーく~~やっぱり太陽の元で吸う空気は上手い!」
久しぶりの外でテンションが上がる。
中庭には車椅子を押してもらっているおばあさんと看護婦さんやボールで遊ぶ子供までいろんな人がいる。
みんな病気や怪我で入院している患者の筈なのに笑顔だ。
その中で俺はベンチに腰を下ろしている女性に目を奪われた。
まるで花のように美しい人、本を読みながら微笑むその笑顔に完全に俺の心は虜になった。
「……」
ついついじっと見つめてしまう。
そして目が合った。
「…あ」
その人は目が合うと笑顔で手を振ってくれた。
それに釣られて俺も手を振る。
本当にかわいい。
すると彼女は本を閉じこっちに歩み寄ってきた。
「え? ……あ」
「リョーヤ君だよね?」
俺の名前を?
なんで知ってるんだろう。
俺は緊張で声を出せないまま首を縦に振る。
「やっぱり! 私横の部屋のサラって言うの」
そう言えばケイスケが隣の部屋には可愛い子がいるって言ってた。
「そ、そうなんだ……知らなかった」
「うん、だって寝たきりだったでしょ? 私は偶に前を通る時顔が見えたりするから覚えてたんだ、それに時々来る面白いお友達、ケイスケ君だっけ? 会話が聞こえるの」
あの野郎、隣の部屋まで声筒抜けじゃねーか。恥ずかしい!
「羨ましいな、私見舞いに来てくれる友達がいないから」
そう言う彼女の顔は少し悲しげで、こっちの胸が痛い。
「じゃあ! 俺が友達になる」
何も考えずに俺はそう口にしていた。
でも、そう思っているのは本心だ。サラと仲良くなりたい。
一目惚れだけど好きって思った。
そのあと少し話をしたあとサラを部屋に送った。逆から見れば送られたとも見えるがその時彼女の部屋に飾ってあった青や紫の花がとても綺麗だったのを覚えてる。
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