1章 繭玉と怪異

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「塩竈。お前どうやって神獣に選ばれたんだ」 「えっ、母が神獣だったから?」 「なんだ七光りか」 「ちょ、そういう言い方やめて下さいよ」 「お前の上司は誰だ」 「上司? ああそりゃ観音菩薩様ですが…いや上司っていうか」 「ふうん」 「でも菩薩様は小難しいことは言わなかったし」 「ふうん」 ザクッ 「ブモォーーッ!?」 出し抜けに繭を切り裂く音が響く。 始めサクサクしだいにショリショリ、粘液混じりの繊維を容赦なく断つ生々しい音に震えあがった塩竈が土間の藁へ頭から突っ込んだ。
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