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いやああと真っ赤になって壁と一体化しようと頑張る繭にもう掛ける言葉がみつからない。
塩竈が鼻を鳴らして、
「モォー空穏さん何やってるんです。ほんと気が利かないんだから」
うっかり口を滑らせたものだから、
「う!? うう、牛が牛がしゃべっ……」
白目を剥いた繭が、ぱったりと倒れた。
「あ、やっちゃった。空穏さんごめーん」
「はーー……」
この患者にはどうも、肉体的な治療以上に精神的な助けが必要なようだ。今まで経験したことのない小娘という難題を前に、空穏は腕を組んで項垂れた。
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