2章 繭から生まれた……

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「すまぬ怪我はないか」 問えばゆっくりと首を横に振り、 「あのひと、あたしを化け物と、化け物と……」 「案ずるな。お前のことは私がきっと守る」 ほろほろと涙する繭を慰める一方、繭を見たときの男の態度に少しの疑念を感じた。あの男、一瞬、繭を誰かと勘違いしたようだった。いったい誰と混同したのか。 考える間もなく次の訪問者が木戸を叩く。 「あいすみません、今日は臨時の休みをいただいております!」 戸口に向かって声を張り上げれば、 「わたしですよ」 勝手知ったるの声がして、これは心強い助っ人がきてくれたぞと内心安堵する。
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