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丹念に色付けを済ませ疲れ切ったふたりは、並んで泥のように眠った。
はたして室町後期この当時の染毛技術は低い。
二、三日も経つと色があらかた落てしまうから定期的に染め直す必要があるのだが、この度は努力の甲斐あり真っ黒とはいえないまでも茶褐色には染まってくれた。
繭は喜んだ。茶褐色ならば栄養不足の者とて同じである。そんな者は村中に溢れている。
「良かったな。白い髪も美しかったが、お前自身が嬉しいのが一番だ」
率直に伝えると繭は不安そうに上目遣いをし、
「く、空穏さまは、白い髪の方が、お好きでしたか……」
やっと言い終えるや目を伏せて赤くなる。
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