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これは無神経であったと反省した空穏は、
「いやっ、私も今の方が良いと思うぞ、うんうん」
取ってつけたように身を乗り出し、
「モォー空穏さん、そうじゃないでしょ。乙女心が全然わかってない」
板間に伏せた塩竈にブヒヒンと鼻を鳴らされた。
「どういう意味だ」
「さあ?」
とぼけてまた鼻を鳴らすと、
「塩竈さん!」
取り乱した繭が塩竈の口を塞ぐ。まばらに色づいた髪が踊って、塩竈が楽しげに目尻を下げた。
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