3章 あわ色の恋

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「いやっ、でもホラ妹みたいに可愛いがってたのに気付いたらほの字になる(ためし)なんて、世の中にゃ腐る程ありますからね!」 「そうでしょうか……」 「そりゃそうです。まして男のひとり旅ですよ? 側にこんな良い子がいりゃあそのうち嫌でも目が向きますて」 「そっ、そうでしょうか!?」 「あの人もしょせん男です」 塩竈のだめ押しにガバッと立ち上がり、 「あたし……あたしあたし、がんばるっ!」 ぐっと両拳を握る繭に、塩竈が赤べこのようにうんうんと頷いた。
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