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薄汚れた骸骨3体が魔物を吹き飛ばし、背後に守るように立っていた黒い衣服を身に纏った者の所へと集まる。しかし、その骸骨達はその者、死霊使いの元にたどり着く前に足から崩れていき、最後には死霊使いを指先で触れる寸前で砂へと還っていった。
耳なりの様な音。空間の歪み。そして小さな光の輪が大きくなりその中から巨大な黒竜が咆哮を上げて姿を現した。されど死霊使いは全く微動だとせずその青白い手に持ったナイフで自らの腕を切り付け血を飛ばす様に振り払う。
赤い鮮血は死霊使いの足下に三日月を描き、それが地面に染み込むとそこから骸骨が生まれ、地面から這い出てきた。
数は4体。2体は剣を持ち、1体は何も持たず拳を握り、もう1体は杖を持っている。
それは黒竜に殺され食われた者達の魂を現世へと甦らせた姿だった。死霊使いは後退りしながら片手を上げて生まれた骸骨達へ指示を出す。
2体の剣を持った骸骨達は魂を震わせ黒竜へと走り込み、拳を握った骸骨は骨だけとなった体を天高く飛び上がらせる。そして、杖を持った骸骨は死霊使いの隣に立つと杖を黒竜へとかざし魔法を放った。
迫る2体の骸骨に、黒竜は素早く尾を振りなぎ払うが、骸骨達はそれを軽々跳躍し避けると剣を振り終わった尾に突き立てる。弾かれた剣は骸骨をも吹き飛ばすが、その時黒竜の頭上から加速し落下する拳を付きだした骸骨が接近する。
それを見て口を大きく開いた黒竜だったが、その瞬間霧の魔法が黒竜を襲い視界を失い倒れ込んだ。
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