3.青い蝶

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3.青い蝶

放課後、僕はいつも通り数人の友達たちと談笑をしていた。すると遠くから人が駆けてきた。 「きみ!!はやくしないと全部死んじゃうよ!」 「は!?」 有無を言わさずアベルが僕の手を引っ張る。 「おい何なんだよ!どこに行くんだよ!」 「どこに?決まってるじゃないか、ぼくの大切なお城だよ!はやく!!」 足が縺れないように必死で走っているとアベルの足が止まった。その瞬間に明らかに空気が変わった。 「なに、ここ…」 そこには小さな温室のような建物があった。 「入って。」 建物に入ると様々な植物が育っていた。そして宙を舞う無数の蝶がいた。 「ついに今日、青色の蝶が産まれたんだ。きみに言ったでしょ?青色だと思うって。見て。綺麗でしょ?」 それはたしかに綺麗だった。綺麗だったけどどこか無機質な感じだった。 「あ、触っちゃダメだよ。ぼく以外が触れるとその子襲いかかって毒針を刺すんだ、危ないから自分から触らないでね。」 「なんで、そんなもの」 「なんで?さぁ、なんでだろうね?」 アベルが微笑んだ、薄くて暗い笑顔だった。
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