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こんな形でしかヒカリを救ってやれなかった、ヒカリを幸せにしてやることが出来なかった俺は心底情けない。
たぶん母さんもヒカリのお母さんも殺す気はなかったはずなんだ。でもお互い守るものがあったからただ自然とそうなってしまったんだろう。母さんも俺がヒカリと殺しあうことだけは避けたかったから自分で全て背負うために公園に行ったんだ。でも心のどこかでは母さんもヒカリに殺されることを願っていたのかもしれない。
何のためにこんなことになったんだろうか。この町が憎らしい。
ヒカリを看取ると最期の重要な仕上げにかかった。ヒカリに刺されたナイフを深く押し込むと灼熱に貫かれる。熱さが滲み出てくるけど、もう何も感じない。ヒカリのいない世界に未練はなかった。この世に別れを告げる。
今度生まれ変わったらこの町でないどこかでヒカリと・・・・・・・・・。
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夜が明けると日の出と共に2羽の鳥が公園から飛び立った。
完
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