母の死

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 ガシャン!  やってしまった。暗かったので自転車をこかしてしまった。気を取り直して自転車に乗る、公園までは5分ほどしかかからない。  「ユキ君?」  隣からヒカリが出てきてしまった。マズイな。  「ユキ君どこに行くの?」  「ちょっとコンビニ行って来るわ」  母と同じことしか言えない芸の無さは母譲りなのかな。  「こんな時間にいかなくてもいいでしょ!」  「4丁目に行かないから」  「・・・・・・嘘だ。お願いだから行かないで!」  泣いて欲しくはないけど・・・・・。  「ヒカリありがと。じゃあな」  別れの言葉を切り出して自転車を素早く漕ぎ出す。  「待って・・・・」  後ろを確認すると、どうやら追いかけて来ないみたいでホッとした。最後かもしれないし、会えたのは天啓だったのかもしれない。  公園に着くと母が死んでいた場所に陣取る。もうすぐ深夜、殺人鬼の時間だ。
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