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「どうして」
寡黙だった彼は、そう呟いた。
「ねぇ!早く行こうよ!水族館!」
「…」
「ねー…何か話してよー…デートでしょー??」
そう、今日は久々のデート、しかも私の好きな水族館!
ずっと前から行く約束をしていたの!
…でも彼はあまり…というより全然話してくれない、いつもはよく話してくれるのに
程なくして水族館に着いた、移動は彼の車!赤色でカッコイイ!
…車の中でも会話は無かった、すごく気まずかった、話しかけたけど…運転に集中してたみたい、事故にあったら危ないもんね、仕方ないか。
入場した先にはアザラシがいた
私はアザラシが好きだ!とてもかわいい!ぬいぐるみをいくつか持っている、そのうちのいくつかは彼に貰った
「お前、アザラシ好きだったよな」
「え!?う、うん!大好き!泳いでる姿とかもう可愛くて!」
か、彼が話しかけてくれた!?嬉しい!
…でも会話はこれっきりだった。
中では色々な海洋生物を見た、小さくて可愛いカクレクマノミ、それにふわふわ浮いてるクラゲだって!…会話になりそうな生き物は沢山いた、いたのに彼は何も、何も話さない…
どうして?私のことが嫌いになったの?
私は悟った、彼は、もう…好きな人が出来たんだ…私の事なんて…飽きちゃったんだ…
だからきっとこれが、最後のデート。
家に帰るため、彼の車に乗った
私は後ろの席に乗る、涙で濡れた顔、見られたくない
ああ、踏切が、やけにうるさい。
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