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それでも君を愛さずにはいられなかった
最初に違和感を感じたのはゴミ収集ボックスを開けたときだった。
今日は燃えるゴミの日のはずで、俺の右手にも硬く縛られたビニール袋がある。もちろん中身は紙ゴミだ。一方、すでに大量に転がっている袋からは、菓子の外袋や緩衝材の発泡スチロールがのぞいている。こういったプラゴミが燃えるゴミにクラスチェンジしたとは聞いていない。一方で、このマンションの管理人が口うるさいことくらい、とっくに承知の住人たちがこんな愚行を犯すとも思えない。
はて、と疑問に思ったが出社の時間も迫っている。俺は目立たない片隅にゴミ袋を置いておくことにして、その場を後にした。
次に疑問符が浮かびあがったのは、会社に到着してからのことだ。少なくとも俺の頭の中では今日は火曜日のはずだったのだが、木曜日の予定がスケジューラーに表示されている。
そこで初めて俺はスマホの画面を見直した。
9/6(木)8:48
スマホを振ってみても画面が変わることはない。
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