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「ほぉー。で、その蒼太くんと、明日仲良く一緒に泳ぐ約束をしたと。 」 ズゴーと、音を立ててトロピカルジュースを飲みながら、くららは切れ長の目を私に向ける。 滞在しているホテルに戻った私は、三人からの尋問にあっていた。 「まぁ、そんな感じ。」 「いいなぁ。ラブロマンスの始まりじゃん。」 そう楽しそうに言うのは、にこり。 目の前には、彼女に似合わない日本酒ロック。頼んだら年齢確認をされて、すっと、鞄に入っている運転免許証を見せていた。 「でも、ひと夏のアバンチュールの可能性もあるんじゃない?」 「あ、あばんちゅーる?」 淀みなく言うくららに対し、にこりが平仮名発音で聞き返す。 「もう、ほんとに、にこりは語彙力が足りない。」 なんて言いながらくららは私の方をちらっと見てくるけど、私もよく知らない。まどかもにこにことカシスオレンジを呑んでるけど、たぶんわかってないと思う。 はぁーあ、と大きなため息を吐いてから、くららは話し始める。 「アバンチュールは、旅先で出会った人と、その場限りの恋を楽しむ、みたいな感じの、まぁ、遊びの恋愛のことをさすのよ。」 「へぇー...。くららちゃんがいつもやってるやつ?」 「黙れ、にこり。」 くららに怒られて、にこりは『こわぁーい。』なんて言って、まどかに抱き付いてる。 「でも、条件としてはぴったりだね。夏だし、旅先だし。」 そのままの格好で言うにこりに、くららは得意げに返す。 「そうなのよ。そりゃね、きみちゃんみたいな色白美人なグラマラスがいきなり抱き付いてきたら、男なら誰だって、期待するわよ。」 「え...ちょ...え?」 「ぐらまらす?」 「にこりとは正反対の、あたしやきみちゃんやまどかみたいな体型の女のことよ。あんたにはない胸があるでしょ?」 私の戸惑いは無視し、にこりの疑問には答えるくらら。...これって、にこりのことディスってる?
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