04.理解できない世界

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 無意識に肩のあたりを左手で撫でながら首を傾げた。  次のページを見ると、また違う項目が書かれている。どうやら属性の話はここでお仕舞いらしい。本のページを左手でめくってから元に戻した。 「わかったか?」 「全然」  ノアの問いかけに素直に首を横に振った。  まったくわからない。余計に謎は深まった気がするくらいだ。  もう一度文章を読み返してみて、今度は別の場所が気になった。  ――牙って何。他の動物はだいたい想像が付く。オレの世界にはいなかったが、竜はあれだろ……西洋のドラゴンってやつ。だとしたら、牙は何を示しているのだろうか。 「ノア、『きば』って何」 「きば? ああ、これは『が』と読むんだ」 「が……?」  余計に意味がわからない。眉を顰めて文字をにらみつけても、何も浮かんでこないし当然ながら理解できなかった。  すっと本の上に影が差す。顔を上げると、ジャックが前から本を覗き込んでおり、その両側からサシャとライアンも額をつき合わせていた。 「ああ、牙は危険な奴が多い」 「奴らは気が荒いからな」 「まだ竜の方が話が通じる」  気は荒いが話を聞いてくれる竜と、話を聞かない牙。     
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