いつもと変わらない日常

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俺の名前は仲村拓実。社会人1年目のただのサラリーマン。 毎朝の満員電車、そして仕事して、帰って、飯食って、風呂入って、寝るだけのつまんない生活にうんざりしていた。 これはある日、仮病で早退した日の帰宅の電車での出来事である。 電車のドアが開き、乗車する。 「閉まるドアにご注意ください。ドアが閉まります」 お、端の席空いてる、ラッキー。などと内心はしゃいでいた自分を後から思い出すと恥ずかしくなるが、無理もない。電車で座るなんてここ最近ではあり得なかったからだ。 電車のドアが閉まり、走り始める。 なんとなく早退してしまったがこのまま帰ったところでやることなんてない。どうせ飯の時間までだらだらゲームしたりして過ごすだけ、あとはいつもと変わらない日常を過ごすだけ。 「あるよな~。なんでか知らないけど、自分の隣にだけ誰も座ってないって事」 「あー俺もたまにあるけど、なんだか悲しくなるやつな」 大学生くらいの男2人が話している内容に、確かになと共感したが、辺りを見渡すと俺の隣にだけ誰も座っていないことに気が付いた。もしかしてこの2人が話してるのって...頼む、次の駅で誰か隣に座ってくれ~ 「次は〇〇に止まります。お出口右側です」
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