0人が本棚に入れています
本棚に追加
____はっ、と気がつくと目の前に女の顔があった。
どうやら僕は少しの間、気を失っていたみたいだ。
……いや、僕はまだ目を覚ましていないのかもしれない。右頬をつねった。痛かった。
「ごめんね。潔癖症だったの?そんなに私の唾汚かった?」
女が何か言っているが、僕の耳には全く入ってこない。
女の後ろに、羽のある小さな精霊のようなものがはっきりと見えた。僕は自分の目が信じられず、何回も頬をつねった。
女の後ろで神々しい光を放つその精霊は赤い眼で僕のことを睨んでいた。
最初のコメントを投稿しよう!