2、 黒朱雀

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そして紅仁は1つ悟ったことがある。 「ねえ、ここへ来て、私のこと、みんな『黒』って言うのだけれども、それってこの髪のせいなの…?」 紅仁の声はまだ震えていた。 泉花はそんな紅仁の瞳を捉えて、しっかりと頷いた。 「で、でも私、そんな妖魔とかいう化け物じゃないわ、本当よ!」 紅仁は今にも泣き出しそうに怯えていた。 「大丈夫ですよ、わかってます。きっとあなた様はもう1つの黒朱雀なのでしょう」 紅仁はこの世界に来て、朱雀妃の証である真紅の髪色を失った。勿論今の紅仁は何の力も持っていない。 そう、紅仁は本当に「失格の朱雀妃」であったのだ。
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