4、 華崇茶会

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4、 華崇茶会

「おお!久しぶりだな、元気にしてたか?」 「お、お待ちください、綜香国≪そうこうこく≫陛下!」 元気な少し厳つい声の後に慌てふためく星黎。朱雀帝はうんざりしながら後ろを振り返った。 「白虎王≪びゃっこおう≫、一体朝から他人≪ひと≫の国で何の騒ぎですか」 「何って、今日はお前の国で華崇茶会≪かすうちゃかい≫で呼ばれたんじゃないか」 この国では見慣れない眩い金色の髪。いつも自信ありげな整った顔。 今もそんな当たり前のことを訊ねてどうしたという謎に強気な表情は、何だか朱雀帝の気に障った。 「……華崇茶会は正午からでしょう、あと2刻以上もありますが」 幾らなんでも白虎王の来訪は早すぎて非常識と言えた。 朱雀帝は朝にあまり強い方ではない。むしろ苦手な方だ。だから朝から煩い来客にイラつき始めていた。 「まあまあ、そんな怒るなって。……奏臣≪そうしん≫の民、天秀族≪てんしゅうぞく≫、永護民≪えいごみん≫、連盟書状が今朝届いたんだ」 急に真面目な声色で白虎王は言った。
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