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「なんと2等!商品券!商品券です!それも2つとも2等です」
周囲がざわりとなる。
2等が連続で出ることがあるのだろうか。ましてや隣の台では、慶一郎が特賞を出したばかりである。
「え、お兄さん、もしかして、ご兄妹?」
係の人も困惑しているようだ。
兄妹で上の賞を立て続けで出したら……まぁ、不正を疑われても無理はない。
しかし、慶一郎は誓ってそのようなことをしていないし、愛歌だってそのようなことができる子ではない。
しかし、いくらなんでもおかしい。偶然が過ぎる。
そんなこと周囲の人ではなく、慶一郎にだってわかる。
「何か手違いがあったようですね。失礼しました」
慶一郎は呆然とする愛歌の手を取り、踵を返す。そして逃げるようにデパートを後にした。
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