うさぎやと神様のご利益

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「皆にはここで飲食をしたら対価を払うように伝えておこう」 「安請け合いして大丈夫か、朔?」 「むっ、十夜はわしを信用しておらんのか」 「そりゃぁ、こっちはガキンチョのころから神様のお前を見てるしさー。振り回された俺の身からすれば、朔のやることって人間の感覚から外れているというか……」 「なにおう」 「まぁまぁ」  どうやら神社生まれの十夜は幼いときから神様である朔と知り合いらしく、朔に対しても割とけんか腰なところもある。そして二人がにらみ合うと、いつも慶一郎が仲裁することになる。 「慶一郎。お前はなんか人間の子供のふりっぽい朔しか知らないだろうけど……。あんまり甘やかすなよ」 「まぁ、でも僕から言うより、朔さんから言ってもらったほうが角が立たないかなって……」 「……お前は良い奴だけど、どうもその性格で損している気がするなぁ」  性格について言われると、慶一郎は肩をすくめるしかない。何度か十夜には注意されているが、あまり修正が効いていないようである。 「むぅ、見ておれ。慶一郎に十夜。わしが見事に解決してやるからな!」  そう言って張り切る朔を見て、十夜は大きなため息をついた。     
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