うさぎやと神様のご利益

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 それでも、彼女たちに言わせるとハジメには何か物をあげたいという気分にさせられるらしい。  これはある意味天性の物かもしれないが……。 「すごい、夕張メロンがある……あ、こっちサーロイン……いくらするんだろう」  お値段ウン万円の品に妹も固まっている。 「えっと、とりあえずお礼の電話を……。あぁ、その前にこれだけの量、十夜の家に助け求めないと」  慶一郎もあまりにもらってきた量とただでもらうものではない品々にさすがにとっさに動けない。そうこうしているうちに……。 「ハジメちゃん帰ってきてる?」  現れたのは近所のケーキ屋の奥さんだった。 「ケーキ屋の……」 「ハジメちゃんや『うさぎや』のみんなにあげようと思って。お願い。助けると思ってもらってくれないかしら?」 「はい?」  嫌な予感がしながらも慶一郎は後方の車から出てくる箱を見る。 「もううちのショーケースお昼間に急に壊れちゃって……。それで今日はもう店じまい。直すのに時間もかかるし、せっかくだからうさぎ屋さんのところでもらってちょうだい」  そう言って積まれた6箱のケーキ。 「うわー、お兄ちゃん。ハジメ君これできっと体重増えるね。よかったよかった。……私、ダイエット中だからー。無理ー!」 「愛歌、現実と向き合おうか……」     
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