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車を降りた場所から玄関まで泰嗣さんは、逃げ腰な私の手を引いた
私・・・案外ビビってます
「ちょっと 待って」
すぅ~ はぁ~ すぅ~ はぁ~
大きく深呼吸を2回
「大丈夫 準備OK」
「そんなに緊張する?」
この家の息子である泰嗣さんには分からない
ピンポン♪
玄関のドアを開けたら
パン パン パン パン
お義母さん お義姉さん お義兄さん 敦之さん
それにお義父さんまで、 クラッカーを鳴らして出迎えてくれた
私の緊張なんて全く必要なかった。柳井の人はみんなこういう人だった。
「杏佳ちゃん 泰嗣お帰り~ ホテルどうだった?スイートルームなんて素敵ね」
私達の行く手を遮るように お義母さんはもう喋り始めてしまって
「母さん 中に入ってからでもいいだろ」
「あっ そうね」
突然シラフに戻ったようにリビングに歩き出した
お義母さんの変わり身の速さは天下一品
今日はまた、この家族の人の温かさをヒシヒシと感じた
玄関で待っててくれたなんて とっても嬉しい
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