嫁のつとめ

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「泰嗣さん そこは何処なの?」 携帯を動かして繁華な夜の街を写してくれた 「今は 北京だよ」 「すごい 賑やかなんだね」 「そうだな 昼も夜も人が多くて・・・」 『泰嗣さんっ 何で電話なんてしてんの? 早く来てっ』 明らかに泰嗣さんの名前を呼ぶ女の人の声が聞こえた 「誰?」 『もうー 泰嗣さん 早く切ってよ』 「ちょっと 待て お前っ・・・」 電話の向こうの女性はビデオ通話していると分かってないんだろう。泰嗣さんの手から携帯を取り上げようとして、もみ合ってるのが写ってる 「お前 向こうに行ってろ」 あっ・・・ 画面にチラッと入った女性は、直ぐに誰だか分かるほど見覚えがある後ろ姿だった 「杏佳 ごめん」 「何で? 何で一緒なの?」 「違うんだ 一緒に来たんじゃなくて、愛紗が勝手に着いて来たんだ」 泰嗣さんは多分嘘は言っていないと思う。でも・・・ 「分かった 忙しそうだから切るね」 「ちょっ ちょっと待って 杏佳っ」 Pi 泰嗣さんが携帯の向こうで話していたのは分かっていたけど、一緒に写った愛紗さんの姿を見たくなかったので途中で切った
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