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「泰嗣さん ここにどうぞっ」
少しずつ 椅子をズラしたものの もう1脚入る程のスペースは直ぐにはできず？
「あらー残念 椅子が入らないので一緒に座ってください」
たまちゃんの白々しい司会は続き
泰嗣さんも白々しく私を抱き上げて 膝の上に座らせた
キャー キャー キャー
いちいち泰嗣さんのカッコいい動きに反応する友達
分かる！私も見てる側ならキャーって言っちゃう
ただ 見られるのと見てるのは全く違って恥ずかしくて堪らない
「初めましてっ 杏佳の旦那さん？」
泰嗣さんが自己紹介をする前に 隣に座る克っちゃんが突然手を差し出した
一瞬 間があって
「初めまして 杏佳の同級生？」
腰に回している反対の手を出した
「ハイっ 小さい頃に杏佳と結婚する約束をしていた 元婚約者です」
「ちょっ 克っちゃん・・・」
「杏佳は俺の奥さんになるもんだと思ってました」
「なにっ・・・」
何言ってんの？！って言う前に
グッ 腰に回された腕に力が入って
「そうなんだ 残念 もう僕の杏佳になったから諦めて」
キャーキャーキャー
「杏佳っ 愛されてる～」 「lovelove過ぎ～」
何だろう・・・このこそばゆい会話
皆んなの冷やかしに火を注ぐように 両腕で私を引き寄せた
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