大掃除

1/1
65人が本棚に入れています
本棚に追加
/200ページ

大掃除

年末です。 慌ただしく過ぎていき、気づけば仕事納めです。 二人がお休みの土日を利用して、 大掃除を始めました。 私はキッチンまわり担当。 背の高い啓介は窓拭き担当です。 啓介がベランダに出て窓を拭いていました。 すると窓をコンコンと叩く音が聞こえ、 窓に目をやると啓介がガラス越しから、 手話で話しかけてきます。 『 ポニーテールかわいいね 』 「 ありがとう 」 『 エプロン姿もかわいいね 』 頬が赤くなるほど甘い手話攻撃(笑) 「 外、寒いでしょ、大丈夫? 」 『 寒いよー 』 ブルブル震える仕草を見せます。 「 おおげさ 」 『 梨香ちゃん鬼 』 こんな風に離れていても 声がなくても会話が 出来るってすごく便利です。 離れた場所にいるときは、 啓介が私の名前を呼びます。 『 リカちゃーん 』 私は手を止め、啓介の元へ行きます。 そんな私もついつい、 啓介の名前を呼んじゃいます。 もちろん返事はなし(笑) 呼ばれるのは私ばかりですが、 私の名前を呼ぶ啓介がいつも楽しそうなので 聞こえていなくても、 「 はいはーい 」と返事しちゃうのです(笑) 「 聞こえてないじゃーん 」と ツッコ厶しかないですね(笑) 大掃除が終った時には外は暗くなっていました。 キレイになった部屋を見渡し爽快です。 「 啓介、晩ご飯どうする? 」 『 寒いからお鍋にしようよ 』 「 いいね。買い物行こうか 」 啓介は頷き、 私の首にマフラーを巻いてくれました。 「 啓介のマフラー長い(笑)」 ぐるぐる巻きの私を見て笑いだしました。 『 待って!梨香ちゃん、   本物のアルパカみたい(笑)』 「 アルパカってあのフワフワの子? 」  『 うん。首がフワフワのアルパカ 』 そう言うとまた笑いだしました。 啓介はとにかくゲラ男です。 笑い出したら止まらない(笑) 「 それ可愛いの(笑)? 」 『 可愛いよ! 今度本物見に行く? 』 「 見比べてまた爆笑するもん 」 『 ごめんね。きっと爆笑しゃう 』 最近やたらとからかわれ系なんですけど(笑) “笑う者には福来る” そう信じて許します。。。
/200ページ

最初のコメントを投稿しよう!