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逆じゃない?
最近は何故か、
啓介が声で話し、私が手話で話す事が多い。
啓介に聞きました。
「 会話方法逆ぢゃね笑? 」
『 良くね笑? 』
「 全然いいけど何かジワルね笑 」
『 今まで声を出したいなんて思って
なかったけど、梨香ちゃんには声を
出して話したくなっちゃうんだ 』
「 そうか、そうか、良き、良き、」
そう言う啓介と、
手話をもっともっと覚えたくて
常に手話を使いたい私。
そうしてるうちに
いつのまにか2人の会話方は交代に笑
「 啓介が聞こえる彼氏で、
私が聞こえない彼女に見えるね 」
そう何も考えずに笑って言った。
『 ・・・ごめんね
そこ考えていなかった・・・
イヤだよね、そう思われるのは 』
ちょ、ちょっと待て!
そんなつもりで言った覚えは一度もない。
私はどう見られようが全然平気。
たまにこういう気を使いすぎるところが
啓介にはあります。
そういう時聞こえる中で生活してきた私は、
心がチクリと痛くなります。
聞こえない耳を隠すような響きに聞こえて
お願いだから自分を否定しないで。
って思ってしまうのです。
そう思う傍で、自分の言葉の使い方の
下手さに嫌気がさします、、、
何で言葉を発する前に考えないかな私、、、
「 梨香はどう見られたっていいよ
そんなの気にしてたら最初から
啓介の事好きになってないし 」
『 そう言ってくれる梨香ちゃんだと分かって
いるのにね変なこと言ってごめん 』
「 ほんとそれ!変なこと!
私は啓介の手話も声も全部好き 」
啓介は困ったように笑い
『 ありがとう 』と手話で言いました。
ねぇ啓介、2人で笑っていられるなら、
好きな方法で会話したらいいよ。
声が分からないときは手話がある。
手話がわからないときは声がある。
両方わからないときは文字がある。
私は聞こえない啓介の耳までも
ちゃんと好きなんだから。
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