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しかし……しかしだ。
ハッキリ言って、俺は立花のことが好きではない。
そもそもそんなことを意識した覚えはないし、そんなつもりもなかった。
だから、『付き合って』と言われて嬉しいことには嬉しいが、それをオーケーする気にはなれない。
だとしたら、俺が言うべき言葉は――
「立花……悪いけど――」
――お前とは付き合えない……そう言うはずだったのに。
「蕾君は私が好きじゃないから付き合えない――って言うのは知ってる」
「え――?」
立花はまたしても俺の考えを読んでしまった。
「だから――これから私は蕾君が好きになるような女の子になってみせる!」
「あ、うん……え? どゆこと?」
理解が……追いつかない……
「だからその時は――もう一度、私の告白を聞いてくれますか!?」
「え、あ……はい」
立花が急に凄い剣幕になったから、ついそう言ってしまった。
「だから――覚悟しておいてください! いつかきっと――振り向かせてみせるから!」
そう言って、立花は教室から逃げるように出て行ってしまった。
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