偶然とは突然に

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 確かに俺はイケメンでもなく、勉強が出来るわけでもなく。  更に言えば、運動が出来ると言う訳でもない。  しかし――“人脈”だけはあると言える。  この学校では密かにネトゲが流行っている。俺はそのネトゲをプレイしている生徒とは大抵仲が良い。男女関係なくだ。  学校と言う多くの人間が集まる場所において、人脈と言う武器はこれ以上ない程の香華力を持った武器だ。  良くRPGゲームで言う所の、終盤にある宝箱の中にあるような武器だ。  その武器を振るうことになれば。  無論、その対象の人間に大ダメージを与えることも出来る。  下手をすれば、人生を破滅させることにもなりかねないモノだが。  そこまでになれば、それはもうソイツ等が悪いとしか言えない。  俺はそこまで性格が悪いわけではないのだから。……いや、十分悪いとは自覚しているけど。  そんなただの廃人的なモノしか持っていない俺に告白をして来た立花。  その重い口をようやく開く気になったのか―― 「だって……蕾君は、イジメられていた私を助けてくれた……人だから……」 「――――――」  精一杯頑張って出したであろう声で、俺に告白してきた理由を言ってくれたことには感謝の言葉を贈る……しかし。  その理由――冗談抜きで、俺には全くと言っても良い程“心当たりがない”ッ!
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