偶然とは突然に

5/9
前へ
/11ページ
次へ
 ならば……どうするべきだッ!?  答えを保留にしておくか? ――いや、それはただの時間稼ぎにしかならない。結果は変わらない。  しかし、ここで答えを言う訳にもいかない。  つまり――俺は詰んだ。完璧に。ハッピーやバッド、またはトゥルーエンドを迎えることも無く。  ここで、人生と言う名のクソゲーを強制終了するしかない。  死ぬわけではないが、それでもそれに匹敵するモノにはなるだろう。  嗚呼、本当にクソゲーだな、この世界は。  そう考え、これからどうやって影として生きるか考えていると、 「ま、まあ……憶えてないのも無理はない……よね……」 「……ごめん」  否定する気はない。むしろ堂々と言わないと、逆に立花を傷つけてしまう。  ……それでも。 「一週間前、私が教室で他の女子達にイジメられている時、蕾君が来てくれたお蔭で私は助かったんだよ」 「……一週間前? 教室?」
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加