夢・告白・夏

3/7
前へ
/7ページ
次へ
夢の中は, 変なタイミングでシーンが変わったり, 場所がいきなり合体したりするが, 今はそこまでの変化も無く. (とりあえず鍵鍵……) 家の玄関を開けると, 母親が缶ビールをひっさげて寝転がっていた. (どこで飲んでるんだよ母さん……) 「おー! おかえり! どうしたん? そんな焦ってー」 「ちょっと用事! チャリのるから!」 「今日は醤油飯炊くけど,ホッケも焼くから早めに帰ってくるんよー」 「りょーかいー!」 雰囲気は現実と変わらない, 酒を飲むとテンションの上下がかなり極端になるあの母親だった. 缶ビールにはサン○リー,一番○りとある. (一番○りはキ○ンじゃなかったっけ……?) ここは夢の中だけにぐじゃぐじゃだった. 母親の後ろにはゴールデンレトリバーが1匹. 現実では犬は買ってないんだけど……何故? 犬と目が合う. 特に吠えられることも無く, 犬はそのまま脱力して横になった. その姿に, 猛烈な既視感を覚える. 「……まさか,父さん? 」 ────犬がだるそうにしながらもこちらへ振り返った. 父さん確定だった. (なんで父さん犬化してるの!?!?) いくら母さんに普段から犬と言われてるからって 別に犬にならなくても…… いや, 夢だから気にすることはないか. 右前足を,俺から見える位置まで上げて軽く振った. ……手を振ってるつもりなのか? (いや、とりあえずチャリ!) 何故か悲しくなってきたが, 首を振り,玄関をあとにした. 自転車の鍵をにぎりしめて裏口へ──── ────と思ったら, いつの間にか, いとこの家の駐車場にいた. (ここで場面変わるのかよ!!!) 握りしめていた自転車の鍵は, ス○キの車の鍵になっていた. (え!? これ,まさか……) ふと,目の前を見ると, そこには, 数ヶ月前まで現実で乗っていた, 俺のワ○ンRが. (うおお!! なんか分からないけど嬉しい!!) 実際乗っていたのと同じ, 白のスティン○レイだった. いとこの家に何故とめてあるのかは分からないけど, 夢の流れ的に乗れということらしい. (これなら早く辿り着ける……!) いとこに挨拶いれること無く, 俺は車に乗り込んだ. (あ,俺ちゃんと免許証持ってるよな……?)
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加