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老人は袖から複数の針と糸を投げると、
イギリス兵達の制服を縫い上げて纏め、
一気に拘束したではないか!
「Oh!?」
「ええい!また無茶しおって!」
老人は少年を抱えて、
屋根伝いに去って行った。
老人が着いた先は、
古く寂れた道院だ。
ここ刺繍堂は、
南家系内功武術の、
針拳の道場である。
針拳はその名の通り、
縫い針を投げて相手の衣服に刺して拘束する、
不殺を旨とする。
呉健鉄少年は、
刺繍堂で修行に励むも、
針を投げて縫うなど難し過ぎて覚えれない。
「こんな事出来る訳無いよ!」
「何を言う!
わしの様に五十年修行すれば出来る!」
「そんなに!?嫌だ!」
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