侵略される清朝

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「たわけ!諦めるな!」 「そんなに修行している間に、 清は外国にやられちゃうよ! そもそも針拳て拘束するだけじゃん! あのイギリス兵一切反省せず、 糸切ったら絶対同じ事やるよ!」 「奴らは夷狄(いてき)と言えど人間。 それもイギリスは紳士の国と言うし、 いつか必ず平和を理解し、 我ら清国人と手を取り合える日が来る。 故に殺めてはならぬ!」 「そんなのいつになるんだよ! 針拳の修行より時間掛かるよ!」 「ええい!いいから少しでも精進せい! まず刺繍堂前の掃除!」 こうして呉少年は、 いつも腑に落ちぬまま、 掃き掃除をさせられるのだ。 「ちくしょー!こうしている間にも、 イギリス兵は悪さしているのに!」 呉少年が悪態をつきながら、 粗く箒を振り回していると、 先ほどイギリス兵に連行されかけた、 呉少年と同い年の村娘、 劉蓮である。
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