トップアイドルの素顔

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僕は何でこんな感じになったんだろう…? 思い返すと、小さい頃から期待されたら、それに応えなきゃいけないような気がしていた。 「洸夜(コウヤ)兄ちゃん凄い!!僕も兄ちゃんみたいになりたい!」 「朱音(アカネ)は僕みたいになりたいの?」 「うん♪兄ちゃんみたいになりたい!洸夜兄ちゃんみたいにかっこいい男になるんだ♪」 「じゃあ僕は朱音に追い抜かれないように頑張るよ」 従弟の朱音が僕に憧れている。 こんなに慕ってくれるなら、かっこいいままの僕でいないと。 僕はみんなのことが好きだ。 だから、好きなみんなが喜ぶ顔をたくさん見たくて、僕はみんなの期待に応えたい。 そう思ったあの日から、甘えも言い訳も弱音も優しさだって捨てた。 僕は強くならなきゃ。 みんなの笑顔を見れば、やる気が湧いてくる。 後ろを振り返る暇なんてない。 みんなが望む僕を見せる為なら、多少の無理くらいは仕方ない。 そんなの全然苦じゃないけどね。 だからアイドルになろうと思った。 アイドルになったら、たくさんの人をみんなを笑顔にできる。 どんなレッスンだってこなすし、どんな仕事でもやってやる。 僕は僕に負けたくない…!
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