トップアイドルの素顔

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けど、しばらくして僕への指摘と誹謗中傷は急に沈静化した。 今度の新曲は笑顔を見せるような曲じゃなかったことと、社会面のニュースの方がネットで盛り上がったからだった。 このまま僕の話題はなくなり、ネット社会に少しだけ感謝して、仕事ではなるべく愛想よく振る舞い、誹謗中傷に気を付けて、今も気を付けているけど。 「お疲れ様でした!」 「お疲れ様でした」 「お疲れ様でした♪」 歌番組の生放送がやっと終わった。 緊張はしないけど、メドレーで三曲の構成を忘れないようにするだけで、他のことなんか気にしてられなかった。 楽屋に入った途端に目の前が真っ暗になって、身体がそのままスローモーションのようにゆっくり倒れるけど、手を付くことも踏みとどまることもできず、僕は意識を失っていた。 ゆっくりのと重たい瞼を開けると、見慣れない照明と、心配そうに僕を見ているジュンとヒロキの姿があった。 「ここは…?僕はどうして…?」 「落ち着け。ここは病院だ。楽屋で倒れてから意識が戻らなかったから、救急車を呼んで俺達が付き添いできたんだ。マネージャーには連絡してるから大丈夫だからな」 「また迷惑かけて…ごめん…」
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