2*

2/13
前へ
/13ページ
次へ
「や め ろ」 ーぴこんっー 「あいたぁぁぁぁいててぇぇぇぇぇ」 不良少年がデコピンをすると少女は額を両手で押さえ背を反らせてオーバーに痛がってみせた。 「そ、そんなに力込めてねーだろ」  二人はここ県立野原高等学校の1年生で、同じ1年6組のクラスメイトだ。 不良少年は4月の入学と同時に問題をおこし停学になり、クラスにまともに出席するようになったのは9月の終わりからだ。それまで少女とは全く面識がなく会話をしたことがない。お互いに顔も覚えておらずクラス名簿の紙の上でしか繋がりはなかった。 しかしつい昨日。 その関係性は変わり、昨日のエックスデイを境に二人は急接近した。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加