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「あの……まさかそれが理由で扉を難なく開けることができる大盗賊に……」
セーファスはまるで訊いてはいけないことを尋ねるかのような口調でエドに問うと、
「はい。だって、奇跡の鍵を失くした責任は取らないといけないじゃないですか」
エドは捨てられた子犬のような目つきでそう答える。
「いや、そうは言っても貴方は勇……」
「じゃあ、これ以外に方法あります?」
セーファスの指摘を遮るようにエドはまくし立てる。
「3人に相談はしなかったんですか?」
「相談したら、きっと彼らはまた取りに戻ろうと言います。まさかあのレッドドラゴンやらガーゴイルやらがうじゃうじゃいるあの洞窟にまた入れって言うんですか?彼らを危険な目にまた遭わせる訳にはいかないでしょう?」
と、エドはやはり取りつく島もない。セーファスは困ったような目つきでホイットニーの顔を覗き込んだ。
「大長老、いかがですか?」
ホイットニーは目を閉じたままうつむき、何も答えない。
「あの……大長老?」
セーファスは再び問いかけるが、ホイットニーはぴくりとも動かず、口を開かない。
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